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会社設立 定款総論
定款とは会社、財団法人、社団法人、公益法人及び各種協同組合等の法人の商号、事業の目的、本店所在地、機関設計、組織、活動等に関して定めた、その法人の存在の根幹となる基本的な規則のことをいいます。これを電磁的記録や書面に記載したり記録した媒体をさす場合もあります。
通常、定款は下記のような方法により作成、編集されています。
書面で作成される定款は、横書きでA4判用紙片面に記載されています。①表紙、②本文、③裏表紙の順番で重ねていきそれを綴ます。ホチキス等のステープラで綴るか又は袋とじにします。通常は表紙に会社の商号等を記載してその会社の定款であることを一目瞭然にします。定款に記載する文字の大きさは12ポイント目安で、明朝体やゴシック体等の標準書体で作成すると印刷物になった時でも見やすい定款となります。
定款の原本には発起人が署名又は記名押印します。この定款の各ページごとに契印します。定款を袋とじにした場合は各ページごとの契印ではなくつなぎ目に契印をしても大丈夫です。
定款は日本語を使用し記載します。例えば作成した定款の記載内容に英語等の外国語が併記されている場合でも外国語の併記がされていること自体には問題ありませんが、正式な定款としてはあくまで日本語の部分となります。外国語で記載された定款の部分は翻訳扱いとなります。
会社設立 新規設立時の登録免許税の軽減について
日本国内各地方での新規創業の促進、地域活性化のため、産業競争力強化法に基づいて新規創業者にとって身近な相談役に位置付けられている市区町村等の自治体が新規創業者のために創業支援等事業計画を策定しています。創業支援等事業計画で定められた市区町村等の自治体が、地域の支援機関と連携して行う特定創業支援等事業を受講した新規創業者は、株式会社や合同会社の新規設立時に特定創業支援等事業を受講をした旨を申請することで規定に定められた登録免許税の軽減措置を受けることができます。
特定創業支援等事業とは創業支援等事業計画に基づいて認定された市区町村等の自治体や支援機関が行う複数回にわたる講義(オンラインもあり)や個別の相談支援を実施する創業に関するセミナーや創業塾を受講します。これらを受講することで企業の経営、運営管理、財務、販売促進、販路開拓、セールスプロモーション、人材育成、マネジメント等の創業時における又は創業後に必要とされる知識やスキルを身につけることができます。規定の受講をクリアすることで特定創業支援事業の受講証明書(自治体が発行する証明書)が発行されますので、これをもって会社設立時に必要な登録免許税の軽減措置を受けることができるようになります。
軽減措置適用後の登録免許税の税率
株式会社の場合:通常の税率は、資本金の額×0.7%です。この金額が15万円に満たないときは1件につき15万円です。
軽減措置適用後は資本金の額×0.35%です。この金額が7.5万円に満たないときは1件につき7.5万円です。
合同会社の場合:通常の税率は、資本金の額×0.7%です。この金額が6万円に満たないときは1件につき6万円です。
軽減措置適用後は資本金の額×0.35%です。この金額が3万円に満たないときは、1件につき3万円です。
会社設立 定款の認証について
作成した定款は公証役場の公証人による事前チェックを受けます。具体的には定款の記載内容が法令上に反していないか等をチェックし法令上の問題がなく間違いのない定款であることをチェックして、その後に定款の認証をしてもらいます。公証人とは、公証役場におかれる法務大臣に任命された法律事務の専門家です(元裁判官や元検察官等)。
株式会社の定款認証は、北海道を除き、設立する会社の本店所在地を設置する都府県内にある公証役場で行います(例えば福岡県の場合は福岡、博多、小倉、八幡、田川、直方、飯塚、行橋、筑紫、久留米、大牟田に、佐賀県の場合は佐賀、唐津に、熊本県の場合は熊本、八代、天草にあります)。北海道の場合は、設立する株式会社の本店所在地を管轄する地域の法務局又は地方法務局の管内に存在する公証役場において、そこにおかれる公証人によって定款の認証を行います。。
定款認証必要費用は、資本金の金額により認証手数料3万円(発起人の人数等の要件によっては1万5千円)又は4万円又は5万円が必要です。また紙面での定款認証は収入印紙4万円が必要です。定款認証を電子定款で行う場合はこの収入印紙4万円は不要です。その他、定款の謄本代金として2千円(謄本を2通取得する場合)ほどが必要になります。電子定款の作成は記載事項の内容を決めたり文章を考えたりする必要があり、また公証役場とのやりとりも行わなければならず、電子定款への電子署名も必要です。忙しい中でこのような事を調べたり手続きを行うことは慣れないことで大変でもありますので、定款の記載事項や作成を行政書士に相談されると省力化や手続きを間違いなく行えます。
会社設立 会計参与等について
会計参与とは取締役や監査役を補佐、補完する役割です。税理士や税理士法人、公認会計士や監査法人がのみがその役職に就任できますので、会計参与がいる会社は客観的に見て決算の信用度が高くなります。会計参与の主たる業務は、その会社の財務(キャッシュフローの記録、把握、管理、報告等)に関する総合的な助言や指導、財務の分野で指導的な立場で導く、財務戦略立案や意思決定において重要な助言を行う、取締役等の業務を助けサポートする、取締役等の相談に応じ助言を行う、等です。会計参与は、組織内や社内で専門的な知見や経験に基づいて意見を述べてアドバイスを行い、意思決定や判断に積極的に正しく関与することが重要になります。
会計参与の人数=人数の制限は無く1人でも複数名でも設置できます。
会計参与の任期=通常は2年とされていますが、株式譲渡制限の規定がある株式会社では最長10年の任期に延長できます。
会社の決算の信用度=取締役のみ<取締役+会計参与
中小企業の決算書は金融機関から信用は低いことがあります。これには下記の①②の理由があります。
金融機関からの信用が低い理由
①決算の粉飾が故意に行われている場合がある
②経理、財務や決算の知識不足で悪気はないものの誤った決算書を作成している
公認会計士又は監査法人の財務諸表監査が義務づけられており、かつ財務諸表の作成時には企業会計基準が適用され、これに則って作成された上場企業等の決算書の信頼性は一般的には高い傾向にあります。これに対して日本国内の会社の多くを占める中小企業ではこの監査義務はなく、企業会計基準則った決算書であるとは限りません。これらの事が金融機関から見て中小企業の決算書が金融機関から信用を得られにくい理由の一つかと考えられます。
会社設立 取締役等について
株式会社を設立するにあたり会社法が施行される以前は3人以上の取締役と取締役会の設置が必要だという条件がありました。これに合わせて監査役1名以上の設置が必須とされていました。小規模な会社では取締役や監査役の人員を揃えるにも大変な現実がありました。会社法が施行されたことによりこの条件が緩和されて、※条件によっては取締役1人であっても株式会社の設立ができるようになりました。※条件→株式の譲渡制限が規定されていること。これにより会社法の施行以前とは異なり会社の機関をが柔軟に多彩に設計できるようになりました。この事により小規模小資本でも株式会社の設立ができること、更に最低資本金制度の撤廃とあわせて、経済活動の活発化、イノベーションの促進が期待されます。
【機関設計の例】
①取締役のみ(取締役会の設置無し)→前提として株式の譲渡制限が必ず必要
②取締役+監査役(取締役会の設置無し)→前提として株式の譲渡制限が必ず必要
③取締役+会計参与(取締役会の設置無し)→前提として株式の譲渡制限が必ず必要
④取締役+監査役+会計参与(取締役会の設置無し)→前提として株式の譲渡制限が必ず必要
⑤取締役+監査役(取締役会の設置有り)→株式の譲渡制限は任意
⑥取締役+会計参与(取締役会の設置有り)→株式の譲渡制限は任意
⑦取締役+監査役+会計参与(取締役会の設置有り)→株式の譲渡制限は任意
新規創業での株式会社設立や個人事業からの法人成では少人数でも機動性を持って対応でき、また実際の運営に適した①でのケースが多いと言えます。
会社の設立について
平成18年5月1日に会社法が施工されました。多くの国内企業が小規模な会社であるという実態に即した改正が多く盛り込まれて会社の設立に関する手続きや各種の規定も大きく緩和された出来事でした。またかつての旧法上においては有限会社が国内の会社数の過半数を占めていたと言われますが、この会社法の施行により株式会社に一本化されました(旧有限会社につきましては会社法の施行により不利益とならないように、旧有限会社は従来の経営形態を維持することもできます。これを特例有限会社といい株式会社の制度が適用されますが、実際に経営する形態は従来のままの有限会社でよいという制度です。合名会社及び合資会社につきましては会社法の施行による改正はありませんので従来からの制度が維持されて変更はありません)。またこの会社法により合同会社という制度が新たに設けられました。
資本金については、会社法の施行により最低資本金制度の縛りが無くなりました。このため資本金1円からの設立が可能になりました。大きな資金が無くても会社の設立ができる、ニーズに応じた機動性の高い対応ができる等のメリットの反面、少ない資本金での会社設立は信用面や信頼性等でのデメリットも考慮する必要があります。また設立時には登録免許税(株式の場合は15万円、合同会社の場合は6万円)や定款認証費用(株式会社の場合3万円~5万円ほど)が法定費用として必要になりますのでこの点は注意が必要です。

