これまで勤めていた会社を退職して起業する方もおられると思います。今度は自分が取締役になって従業員を迎える立場になります。
取締役は何を取り締まるのか
取締役といえば会社のお偉いさんというイメージですが、いったい何を取り締まるのでしょうか。元々は、会社のオーナーである株主に代わって、会社が健全に運営されているかどうかを取り締まるのが、取締役の役目でした。しかし、取締役も会社の一員ですから、波風をたてて取締役の肩書を失いたくないという心情があります。ですから、社長(代表取締役)とのなれ合いに体質が多いのが現状です。とはいえ、国際競争力の強化という課題もあり、日本的な会社経営から脱却する傾向が強まっているのはご承知のとおりです。社外取締役を置くなどして経営を引き締めていく動きは、これからのますます増えてくると思われます。
会社内のいろいろな肩書
会社の人間は、経営側と従業員側の2つに分かれます。一般的な肩書でいうと、普通はヒラから部長までが従業員で(法律上、社員とは出資者のことです)、監査役から上の肩書になると役員、つまり経営側の人間です(部長職で取締役という会社もあります)。主任、係長、課長といった肩書は広く知られますが、これらの肩書に法律上の規定はありません。主な役員のうちでも、法的に定義されるのは、監査役、取締役、代表取締役の3つです。常務取締役、専務取締役、社長、副社長といった肩書は、慣習的に使われているものです。
【参考】会社作りの言葉 C.E.O
最高経営責任者のことで、Chief Executive Officerの略です。アメリカ型企業における、取締役に任命された執行役員のトップがC.E.Oです。近年、日本の企業でもこの肩書が増えつつあります。