株式の譲渡に会社の承認が必要です。
定款で自由取引を制限する
本来、株式は原則として自由に取引されるべきものです。しかし小さな会社の株式が市場で広く取引されると大資本によって簡単に乗っ取られかねません。そこで株式の譲渡には会社の承認が必要と定款に定めることが認められています。このことを株式譲渡制限といいます。譲渡とは無償で譲り渡す場合だけではなく、売買などの取引全般を意味します。会社の承認とは次の3つです。
①株主総会の決議
②取締役会の決議
③代表取締役の承認
自社株式のすべてを譲渡制限にしている会社を株式譲渡制限会社(非公開会社)といいます。一部でも自社株式の譲渡制限をしていない会社を公開会社といいます。
株式譲渡制限会社のメリット
取締役1人でも会社を設立できたり、取締役会の設置が不要だったり、役員の任期を延長できるなどのメリットがあります。1人で会社を設立する場合は必ず株式譲渡制限会社となります。小規模な会社を設立する場合は、株式譲渡制限としておくのが妥当です。株式市場で取引されている株式は、中規模以上の会社の株式でありまた前述の乗っとりなどのリスクを回避できるからです。