会社設立の資金調達は、融資や出資が主な方法になります。
「融資」と「出資」を使い分ける
会社設立に向けて資金集めをしているあなたの前に、投資家が現れたとしましょう。あなたの設立計画に共感し、事業開始に必要な資金を出資すると提案してきました。思わず飛びつきそうになる良い話に思えますが、じっくり考えなければなりません。1人の出資額が多すぎると、その出資者の発言権が強くなりすぎます。十分な資本金で会社を設立しても、その実権を特定の株主に握られてしまっては意味がありません。
そこで、投資家から会社から直接に出資するのではなく、融資として一旦、自分のお金にしてから、それを自分の出資金とすることを検討することも必要です。たしかに、出資の場合は、出資額以上の責任は負わないのですが、融資は私財を投じてでも返済しなければならないリスクはあります。
しかし、一番の目的は会社の事業で利益を生むことですから、出資金の返済問題を優先してしまうのは、本来の目的とは違う方向性になってしまうかもしれません。リスクは低いけれど、経営権がつく出資か、ハイリスクですが自分の資金として使える融資を選ぶか、それぞれの長所を考えて検討することも大切だといえます。