株式会社という言葉は誰でも聞いたことがあると思います。どのような仕組みで成り立っているのか、発祥の歴史なども踏まえてみたいと思います。
資金を集めるためのシステムで、起源は近世ヨーロッパ
15世紀の後半以降、大航海時代に入ったヨーロッパは世界各国に船を出していきます。そのとき、アジア方面と貿易の拠点になったのが、列強各国の東インド会社です。そのうち、1602年に設立されたオランダの東インド会社が、世界初の株式会社だといわれています。オランダ東インド会社は、公開貿易に必要な資金を効率よく集めるために、出資者のリスクを出資額までにとどめ、自分たちもその返済義務は負わないという方法を採りました。これは有限責任、つまり株式会社の形式です。資金を持つ人と貿易(経営)ノウハウを持つ人、それぞれの需要供給を一致させたというわけです。
株式の役割
話は現代に戻ります。ある株式会社の規模が大きくなると、その会社の株式は発行数・株価とも大きくなります。この株式の流通を専門に行うのが、証券取引所です。証券取引所で扱われるのはごく一部の大きな会社の株式で、国内の多くの株式会社の株式は株式市場には上場していません。証券取引所で自社の株式が流通するようになることを上場といいます。上場するには、証券取引所の厳しい審査をパスしなければならないため、上場企業という肩書は一つのステイタスになりえます。ただ、株式の買い占めで経営に悪影響が出たり、情報を公開したくないなどの理由で、有名企業の中にも非上場企業は少なくありません。
【参考】会社作りの言葉 証券取引所
株式をはじめ債券など有価証券の取引を行う場所で、各証券会社が会員となって構成されています。主要都市にある5カ所に加えて、新興企業を対象とするジャスダック証券取引所(東京)などがあります。