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登記申請を法務局にする
2014-03-04
登記の申請書類は管轄の法務局に提出します。
登記申請の流れ
登記は、原則、書面により申請しますのでまずは申請書を作らなければなりません。登記申請書は記入漏れの内容や誤記入が無いように正確に記入しなければなりません。登記申請書の他に、登記内容を確認するために必要な書類を添付して提出しなければならない場合は、それらの書類忘れずに用意します。この書類のことを添付書類といいます。書類の準備が整いましたら、管轄の法務局へ出向きます。法務局では、もう一度申請書類の内容を入念にチェックして、不備や誤りがなければ受付に提出します。登記官は申請された順番従い書類の審査を行います。このため、複数の登記申請を一度に行う時は、順番にも気をつけましょう。この時に、登記事項証明書交付申請書を同時に提出しておけば、登記完了後すぐに登記事項証明書を受け取れます。これによってちゃんと登記されたのかを確認できます。 また、登記申請も書面申請の他に、オンラインによる申請ができます。オンライン申請は、電子定款の認証と同じく、申請人や代理人が申請書や添付書類を法務省オンライン申請システムを用いて法務局あてに送信する方法です。このほかには、俗に半ライン申請と呼ばれる、申請情報のみをオンライン申請して、添付情報を記載した書面については法務局宛に郵送または持参して行う方法もあります。オンライン申請とは
オンラインを利用して登記申請する場合の手続き方法のおおまかな流れをご説明します。オンライン申請をするための準備
申請書等をPDF化するためのソフトなどを購入します。電子証明書の取得
認証機関から電子証明書を取得します。司法書士等の専門家に限らず、本人でも電子申請することは可能です。法務省オンライン申請システムを利用するための手続き
オンライン申請は、法務省オンライン申請システムを利用して行います。そのためには、JREのインストール(法務省オンライン申請システムを稼働させるためのソフト)やユーザー登録が必要です。登記申請書作成支援ソフトウェアのインストール
この手続きはオンライン申請特有のもので、オンライン申請の手順を示すソフトです。法務省オンラインシステムの案内からインストールすることができます。インストール終了後は、、デスクトップに「登記申請書作成支援ソフト」のアイコンが表示されます。ここまでの準備が整えば、法務省オンライン申請システムで登記申請ができます。オンライン申請をすることで株式会社設立の登録免許税が5,000円安くなります。ですが、オンライン申請のための導入費用が数万円はかかります。そのため、登記を本人申請する場合は、書面で申請したほうがお安く済むことになります。実務用でオンライン申請を利用しているのは専門家である司法書士だけです。登記は、会社の所在地を管轄する法務局に申請します。登記申請の受付時間は、平日の午前8時30分から午後5時15分までです。会社設立登記申請書は本店を所轄する法務局に提出
登記申請は、原則として当事者が申請します。会社の設立登記においては、「会社を代表することとなる者」が会社を代表し登記申請します。実務上は、司法書士が代理人として登記申請することも多くあります。登記申請書では、「登記の事由」と「登記すべき事項」が、特に重要部分です。「登記の事由」にはどのような理由で登記をするのかが記載してあり、「登記すべき事項」にはどのような内容で登記を求めるのかが記載されています。 会社設立(発起設立)の登記申請をする際は、登記の事由は、「平成××年×月×日」と記載します。登記すべき事項は「別紙のとおり」と記載し、登記すべき事項を記載したOCR用申請用紙を提出します。また、登記すべき事項はCD-R(磁気ディスク)などで提出することもできます。これは、会社設立のための登記すべき事項が膨大なため、事務処理に支障が生じないようにするためのものです。商業登記(会社設立登記)という制度
2014-03-03
登記には商業登記と不動産登記があります。
登記とはなにか
定款作成をして従業員を集めて業務を開始できるようになっても、まだ会社は成立したことにはなりません。会社の設立は登記をしてはじめて認められます。では、この登記というものはどのようなものなのでしょう。登記とは不動産に関する権利関係や会社の重要事項につき、登記所(法務局)という国の機関に備えてある登記簿に記載することです。たとえば建物を新築したり、新たに会社設立したような場合に登記をします。また、不動産であれば、例えば所有者が変わった時は所有権移転登記、会社の名前が変わった時であれば商号変更登記というものを行います。商業登記は何のために行うのか
私たちの身の回りには株式会社や合同会社などのたくさんの「企業」が存在しています。普段の生活に必要な衣食住について考えてみましても、これらの供給や調達には企業の存在が不可欠です。ほとんどの場合、食料品や衣服などは企業から購入しますし、また、それらは企業で生産されています。視点を変えれば、多くの人たちは消費者としてだけでなく、労働者として企業に籍をおいています。会社は生産、加工、販売、保管、運搬、流通などの企業活動を行い、他の会社と取引などを行っていくことで、市場経済は発展していきます。このように企業間取引や企業から商品やサービスを購入することは、私たちの生活には不可欠であり、経済発展にもつながることです。 しかし、企業との取引の場合、相手方企業がどのような会社であるのかが分からなければ、安心して取引などはできません。会社には、世間的にも名前が知られている大企業から、家族経営の小規模企業もあります。大企業であれば新聞をはじめとする媒体から、比較的容易に情報収集できますが、国内企業の多くの割合を占めている中小企業の情報を得ることは容易ではありません。ですが、取引のたびにその都度、相手方の会社を調べていては、迅速で円滑な経済活動はできません。このような事態を極力避け、商取引を安全、迅速、円滑に行えるようにする趣旨のもとに設けられた制度が「商業登記制度」です。商業登記制度は、企業についての一定事項について情報公開(公示)することで、その企業と取引しようとする相手方が不足の損害を被ることの無いようにするためのシステムなのです。また、企業の側からしても登記を行い情報公開をすることは信用の保持につながることです。公示とは、商業登記簿(事業目的などの事項が記録された帳簿)に記録された事項を公開するという方法で行います。この登記簿は法務局に設置されています。この会社の目的(事業内容)は何なのか、代表者は誰なのか、などの事項を商業登記簿を確認することで知ることができます。変更登記とは
会社の情報を記録することを商業登記といいます。そのため、もし、会社の内容が設立時に記録した内容と変わった場合には、変更登記が必要になります。具体的には、商号、会社の目的、本店所在地、公告方法、取締役や監査役の変更があった場合に、変更登記を行います。この中でも任期の定めがある取締役の変更はよく利用されます。取締役の任期終了後には新たな取締役を選任し変更登記をしなければなりません。もし、任期終了後の取締役が従前の取締役と同一人物であっても変更登記は必要です。法務局という組織
登記は「登記所」に申請するわけですが、「登記所」というのは抽象的な言い方です。正式には法務省の中の組織である法務局(地方法務局)またはその支局や出張所に登記簿はあります。「法務局」と「登記所」は意味合い的には同じであり 、地方法務局や支局、出張所もこれに含まれます。これらの法務局は、基本的には行政区画を基準とし、法務大臣が指定、設置します。法務局は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡といった都市部に設置されており、法務局に次いで規模の大きな地方法務局は、上記以外の県庁所在地と北海道内の函館、釧路、旭川に設置されています。そして、これらの法務局と地方法務局の管内に支局や出張所が置かれています。取締役、監査役の選任に関する書類
2014-03-02
原則として就任承諾書が必要になります。
定款に記載しておくと不要になる
会社設立において、発起人によって株式総数の引受けがされた後、発起人によって取締役(設立時取締役)と監査役(設立時監査役。※監査役の選任は原則として任意になります)が選任されます。そして、選任後に、それぞれ就任する役員から就寝承諾書をもらいます。通常、定款には取締役と監査役をあらかじめ記載します。定款の中に取締役と監査役の名前が記載されており、さらにそれぞれの者が発起人として定款に記名、押印しているときは定款の記載により役員への就任を承諾した書面になります。この場合であれば、就任承諾書の作成を、別途にする必要はありません。しかし、間違いやすく、かつ、重要な部分でありますのですべての役員から就任承諾書をとっておくほうが無難ともいえます。定款で定めない場合
定款で定めない場合、発起人が2人以上の時は、発起人会(発起人が集まることによって開かれる会議)で取締役と監査役を決定します(株式1株について1個の議決権(1株式1議決権)を持ち、その過半数で決定します)。この場合は、役員選任までの経緯を「発起人会議事録」に記載しておかなければなりません。発起人が1人の場合は、「設立時取締役・設立時監査役選任決議書」で代用することも可能です。 なお、定款に記載しておけばこれらの書類は不要です。定款作成時に取締役などの役員を記載しておくことで、会社設立の手続きを簡素化できます。株式の払込みと手続き
2014-03-02
出資金(資本金)は定款認証後に入金します.
株式の払込手続き
作成した定款について、公証役場で公証人の認証を受けたら、次は会社を代表する発起人の個人名義の銀行口座に発起人がそれぞれ引き受けた株式数に見合った趣旨金(資本金)をそれぞれ全額、振り込みます。払込み手続きに必要な書類は、以下のとおりです。 ①払込みのあったことを証する書面(登記所に届ける印鑑を押印します) ②預金通帳のコピー 通帳の表紙、通帳を開いて1ページ目(口座名義人が判明する部分)、払込みがわかるページをコピーします。上の2つの書類(①と②)を合わせて閉じて、①で押印した印鑑で契印(各ページの継目に押印すること)をします。入金又は振込は公証役場での定款認証が終わってから行ってください。仮に、定款認証前の日付で通帳に資本金に相当する残高があったとしても、登記は受理されません。そのような場合は、いったん資本金に相当する金額を出金し、再度入金をします。会社設立と電子定款の利用@福岡
2014-03-01
電子定款の場合は4万円の収入印紙が不要になります。
電子定款とはどのようなものか
株式会社を設立する場合、定款を作成し、その定款を公証人に認証してもわなければいけません。認証とは、その文書などが適正な手続きに従っていることを公証人や市区町村長(公的機関)が証明することです。定款の認証につきましては、書面で作成した定款を認証してもらい方法と、電子化された電子定款を認証してもらう方法があります。特に電子定款は、書面による定款認証時に必要な4万円の収入印紙代が不要ですから、会社設立費用を節約につながり、広く浸透しています。電子公証制度とは
公証人が行う事務を公証業務といいます。公証業務には、上記の定款認証業務の他にも、公正証書の作成、確定日付の付与などがあります。これら公証業務の対象となる事務で取り扱う文書は紙媒体が中心でした。しかし、最近では、電子文書の場合も一定のものは公証業務の対象になりました。この制度のことを電子公証制度といいます。電子公証制度にも様々あります
電子公証制度の対象は、公証業務のうち、電子文書で作成された私署証書や定款を公証人が認証する場合や電子文書に確定日付を付与する業務です。しかし、すべての公証人が電子認証制度に対応できるわけではありません。電子公証制度に対応できるのは法務大臣に指定された「指定公証人」だけです。実際は、かなりの人数の指定公証人が存在しますので、ほとんどの地域で電子公証ができます。 電子定款を利用することで、指定公証人に電子ファイル形式になっている会社の定款の認証を嘱託できます。その定款は20年間保存してもらうことができます。また、電子ファイル形式で作成された私署証書の認証を嘱託し、その私署証書を20年間保存してもらうこともできますし、電子文書に確定日付を付与するように請求したり、その電子文書を20年間保存してもらうこともできます。電子文書の認証を受けたり確定日付が付与された後は、その電子文書の謄本の請求を指定公証人に対してすることもできます。また、認証を受けたり確定日付が付与された電子文書が改ざんされていない真正のものであることの証明(情報の同一性に関する証明)を指定公証人にすることもできます。 このように電子公証制度には様々なものがあります。その中でも代表的であり、もっとも利用されているのが電子定款です。電子定款による定款認証と従来の定款認証との違い
紙媒体での定款は紙で作成します。パソコンのワードなどで作成したものを印刷するのです。そうしてできた定款に収入印紙を貼り、公証役場に持っていき定款認証を受けます。これに対して、電子定款の場合は、パソコンのワード等で作成した定款をODF化し、法務省オンラインシステムを使って認証の嘱託をします。ただ、定款認証時には、公証役場に出向く必要があります。認証は公証人の面前で行わなければならないからです。つまり、紙媒体の定款認証と電子定款の認証の手続き上の違いは、法務省オンライン申請システムを利用して定款を公証役場に送信するかどうかの違いしかありません。定款認証の手数料について
電子定款につきまして、定款認証手数料は以下のとおりです。 ・定款の認証 5万円(紙媒体も同じ金額) ・電磁的記録(電子データ。この場合は電子定款のこと)の保存 300円 ・同一の情報の提供(謄本の請求) 700円(紙媒体の場合は謄本1枚につき250円) このうち、電子定款による認証の場合は、紙媒体の認証時に必要な収入印紙4万円は不要になります。また、謄本を書面で受け取る際には、1枚あたり20円が加算となります。電子定款を個人が行うことのメリットは少ない
電子定款の最大のメリットは収入印紙代の4万円が不要になり、設立費用が節約できることです。しかし、電子定款を行うには事前準備が必要であり、相応の費用もかかります。電子定款をするには特別な機器やソフト、電子証明書が必要になります。電子証明書を申し込む機関によって多少の金額差はありますが、およそ10万円弱は必要です。会社設立を仕事にしている専門家はともかく、一般の方が何社も会社設立することはあまりありません。ですから、一度しか会社を設立しないのであれば、電子定款で4万円の収入印紙代を節約できたとしても、電子定款のための事前準備にそれ以上の金額がかかってしまい損をしてしまいます。そのため、もし個人で電子定款の利用をお考えの場合は、費用の面などをよく考慮なさるほうがよいでしょう。代表取締役を選任する
2014-03-01
取締役会非設置会社では代表取締役を選任するかどうかは会社の自由です。
代表取締役とは
代表取締役は、会社の業務を執行し、会社を代表します。一般的に、株式会社には、代表取締役を必ず設置しなければならないと思われがちですが、取締役会非設置会社では代表取締役の設置は任意です。まず、原則として、取締役会非設置会社で取締役が複数名いる場合は、個々の取締役が業務を執行し、会社を代表します。ですが、株主総会の決議、あるいは、定款または定款の定めに基づく取締役会の互選により、取締役の中から代表取締役を定めることも可能です。取締役による互選で代表取締役を定める場合は、ページ下部の【定款の記載例】のように、取締役の互選によって代表取締役を定める旨を記載します。現実に会社を経営していく場合、他の会社等と取引をするにあたっては、代表取締役が選任されていなければならないことが多くありますので、複数名の取締役がいる場合は、代表取締役を定めておくとよいでしょう。代表取締役の行為の効力
会社の業務を執行し、会社を代表する権限を持つ代表取締役は重責を担う地位にあります。その行為には、以下のような効果が与えられています。代表権の制限
代表取締役の代表権に取締役会や株主総会の決議によつて内部的な制限を加えたとしても、善意の第三者(代表権が制限されている事を知らない第三者)に内部的制限を主張することはできません。代表取締役には会社を代表する一切の権限があると信頼して取引を行っている相手方に対して、代表権の制限を主張できるのであれば、相手方に不測の損害を発生させるおそれがあるからです。第三者に対する責任
代表取締役が職務を行うにつき第三者に損害を与えた場合は、会社は損害を賠償する責任を負います。代表権の濫用
代表者が自分や第三者の経済的な利益を図ることを目的にして代表権を行使した場合(代表権の濫用といいます)は、その行為は無効になることもあります。取引先などの相手方が代表権の濫用を知っていた場合または知らないことについて過失があった場合には、代表行為は無効であるとする判例があります。決議にもとづかない行為
代表取締役が株主総会や取締役会の決議に基づかない行為をした場合、その効力はどうなるでしょう。取締役会決議がないことを取引先などの相手方が知り、または知るべきときには、無効とするものなどの判例があります。 【定款の記載例】 (社長及び代表取締役) 第〇条 当会社に取締役2人以上あるときは、取締役の互選により代表取締役1人以上を定めることとする。 2 当会社を代表する取締役は、社長とする。代表取締役選任記載のポイント
この例は、取締役会を設置しない会社において、取締役の互選により代表取締役を定める場合の規定です。取締役を株主だけに限定できる
2014-02-28
限定できるのは非公開会社のみです。公開会社の場合は限定できません。
所有と経営の分離とは
「株主」とは、株式会社の出資者ですから、会社を所有しているのは社長や取締役ではなく、「株主」だということになります。であれば、会社の経営を行うのは「株主自ら」だと言えますし、小規模~中規模な会社ではそれが通常です。ですが、企業の規模が大きくなると話は違ってきます。大企業では多くの資金が必要ですので、多くの出資者から資金調達をします。出資者が多くなるということは、株主の数も多くなるということです。そうなると様々な関心を持った株主が集まります。配当利益が主な目的で、経営に関しては興味を持たない株主もいるでしょうし、また、経営に興味のある株主がいたとして、その株主に経営能力があるとは限りません。合理的な経営のためには、経営の専門家に任せた方がうまくいきそうですし、それが株主の利益につながるといえます。 そこで株式会社は、制度上で会社の所有者(株主)と経営者(取締役ら)が分離されています。このことを株式会社における「所有と経営の分離」といい、株式会社の大きな特徴です。「取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることはできない」と会社法でも規定され、所有と経営の分離を明らかにしています。けれでも、これは、「株主が経営者を兼ねてはいけない」という意味ではなく、取締役になれる資格を株主に限定してはいけないという意味合いです。実務上でも、株主の中から取締役が選任されることは珍しくありません。 以上の内容に対して非公開会社の場合は、定款で定めることで取締役を株主に限定することも可能です。小規模な会社であることが多い非公開会社では、所有と経営一致させることがスムーズな経営につながることも多いからです。取締役の欠格事由
取締役は、会社の経営を担い、重大な責任を持つ者です。ですから、以下のような一定の事由に該当する者は取締役にはなれません。 ①法人(会社) ②成年被後見人(精神上の障害により判断能力を欠く者)または被保佐人(精神上の障害により判断能力が著しく不十分な者) ③会社法、金融商品取引法、民事再生法、会社更生法などに定めた罪を犯し、刑に処せられ執行を終えた日または執行を受けなくなった日から2年を経過していない者 ④その他犯罪を犯し、禁固以上の刑に処せられ執行を終えていない、または執行を受けないことになっていない者 なお、破産して復権(権利や資格の制限がなくなること)していない者であっても、取締役に選任できます。しかし、在任中の取締役が破産した時は、取締役の地位を失います。破産は委任契約を終了させる原因です。会社との委任関係に立つ取締役は、その地位を失います。定款で取締役の資格を制限できます
一例として、「取締役は日本人に限る」という資格制限を定款で定めることは可能です。では、取締役の資格をを株主に限定することはできるのでしょうか?株式会社は、「所有と経営の分離」にあるように、出資者(株主)が、経営の専門家でありプロである取締役に会社の経営をまかせて効率的に利益を上げることを目的としています。取締反を株主に限定すると、有能で多様な人材の確保が困難になり、会社の利益に反する結果となり、それは最終的には株主の利益に反することにつながるのです。ですから、原則、取締役の資格を株主に限定することは認められていないのです。 しかし、非公開会社の場合は違います。非公開会社は、親類や知人等で出資し合って経営を行っていることが多いという特徴があるので、出資者以外の者に経営をまかせることは稀なのです。そのため、【定款の記載例】のように定款に定めることで、取締役に資格を株主に限定することもできるようになるのです。 【定款の記載例】 (選任の方法) 第〇条 当会社の取締役は、当会社の株主中より株主総会において選任する。但し、必要があるときは、株主以外の者から選任することを妨げない。取締役を株主に限定の記載ポイント
この例は、非公開会社が取締役の資格を株主に限定する場合の規定です。非公開会社にのみ認められた制度であり、公開会社ではこのような限定はできません。取締役等の任期を伸長する
2014-02-27
非公開会社であれば取締役・監査役・会計参与の任期を10年に伸長できます。
取締役の任期について
株主によるチェックの必要性の度合いに合わせて、取締役の任期は次のように定められています。 ①取締役の任期の原則 取締役に選任されてから、2年後に行われる株主総会が終了するまでです。たとえば、平成25年6月に取締役として選ばれた場合は、平成27年の株主総会が終了するまでが任期になります(会社の決算日が3月31日で株主総会が6月の場合)。ですので、平成27年の株主総会において新しい取締役の選任が必要になります。なお、この時に選任される取締役は従前の取締役と同一であってもかまいません。 ②非公開会社の取締役の任期 非公開会社の取締役の場合、原則は①と同様に2年です。しかし、定款に定めることで、取締役として選ばれてから、10年後に行われる株主総会が終了するまで、任期を延長することができます。監査役の任期について
監査役に選任されてから、4年後に行われる株主総会が終了するまでです。監査役の職務は取締役の業務執行を監査することです。会社の適正な経営のためにも監査役は経営陣から独立して職務を行うことができなければなりません。このため監査役に任期については、取締役よりも長期間であり、定款で任期を短縮することもできません。非公開会社の監査役の任期は4年ですが、定款に定めることで、監査役に選任されてから、10年後に行われる株主総会が終了するまで延長することもできます。任期は長ければよいわけでもない
役員の任期を長くしておくということは、その間、役員の変更を行わずに済むということですから、変更登記に伴う費用や手間がかからずに済みます。1人で会社を設立した場合であれば、自分が役員ですから任期を長くしておくにこしたことはないでしょう。しかし役員の任期が長いと困ることもあります。役員が複数名いた場合です。意見の対立や仲たがいしてしまった場合でも、任期が終了するまでは解任できません。強制的な解任もできるのですが、役員報酬を払っていた場合、任期終了までの報酬の賠償義務が生じます。そのため、複数名の役員がいるような場合に役員の任期はよく検討したほうがよいでしょう。 【定款の記載例】 (任期) 第〇条 取締役及び監査役の任期は、選任後10年以内の最終の事業年度に関する定時株主総会の終結の時までとする。取締役等の任期の伸長記載のポイント
この例は、非公開会社において、取締役と監査役の任期の伸長する場合の規定です。なお、定款で定めなければ、任期伸長の効力はありません。監査役を設置する
2014-02-27
取締役会を置かない会社では監査役をを置くケースは多くありません。
監査役とは
監査役は、取締役ら経営者の業務執行を監査する機関です。また、貸借対照表や損益計算書などの計算書類をチェックし内容に誤りがないかを監査します。取締役会設置会社では監査役を置くのが原則です
会社に取締役会を設置した場合には、原則として監査役を置かなければなりません。しかし、非公開会社であり会計参与(会社の計算書類を取締役と共同して作成する機関)を置いた場合には、監査役は置かなくてもかまいません。取締役会非設置会社であれば、監査役や会計参与は置く必要はありませんが、定款に記載することで置くことができます。定款への記載方法は本ページ下部の【定款の記載例】のようにします。会計参与を置く場合は【定款の記載例】の監査役の部分を会計参与に変えます。ただ、実務上ほとんどの会社では、顧問税理士が監査役や会計参与の役割を行いますので、取締役会非設置会社で監査役や会計参与を置くケースはあまりありません。なお、監査役と会計参与の違いは、監査役は取締役が作成した計算書類を事後チェックする機関であるのに対し、会計参与は取締役とともに計算書類を作成するという機関であるという点です。 【定款の記載例】 (監査役の員数) 第〇条 当会社には、監査役を1人以上置く。監査役設置の記載ポイント
この例は、監査役を設置する場合の規定です。取締役会を設置する
2014-02-25
現在、日本国内の会社の多くは、株主が1人だけの場合など会社の所有と経営が一致しています。ですから、株主である取締役の決定によって会社は運営されます。一方、株主は出資するのみにとどまり経営にはタッチしないこともあります。会社の所有と分離がとられている会社では取締役が経営を行うのです。つまり、経営は信頼のできる取締役にまかせ、株主はオーナーとして資金を出資するという方法です。この時、取締役会を設置しない会社では、取締役が会社の経営を担う機関になります。そして取締役会設置会社では、取締役が会社の経営を担う機関になります。
3人以上の取締役が集まった取締役会で会社の運営や経営方針を決める会社のことを取締役会設置会社といいます。取締役会を設置しない会社に比べて、取締役会で会社の経営方針を決めますので、取締役会を設置しない会社と比較すると、取締役の権限の乱用をけん制する効果が得られます。また取締役会設置会社には原則として監査役が設置されますので、取締役を監督する効果もあります。本ページ下部にあります【定款の記載例①】のように取締役会を置く旨を記載します。取締役会を設置した場合、取締役の選任が3人以上必要になりますので、【定款の記載例②】のように記載します。
取締役会は、業務執行の決定、取締役の職務執行の監督、代表取締役の選定・解職をします。業務執行のうち日常的なものは代表取締役に委任して決定させることもできます。しかし、重要財産の処分・譲受、多額の借金、組織の改廃など業務執行上の重要事項を委任することはできません。